『現代中国知識人批判』といったタイトルになり、檄文
との帯が付いていることから察せられる様に強い語調を含む
文が続くが、不思議と日本国内の事情に対し反芻を迫られる
様な印象を受けたことを記憶している(外交問題を指して
いる訳ではなく、その文化の在り様を示しているといったら
適切だろうか)。
儒教思想及び孔子の思想に対する対立命題として、間
違った意志決定や汚職が蔓延する環境に対する批判のみで
は、強く正しい意志決定者による専制主義を良しとする
文化的風土を生むことを助長することになり、それは人は
過ちを犯す生き物であるといった側面をベールに包む物で
あり、知識人を権力の道具にするのみならず、蔓延する
腐敗と自己崩壊を導く物以外の何物でもないのだといった
ことが挙げられており、それを避けるべく、知識人は、
隷従される立場から己を解放するために闘うことが肝要で
あると私は理解したが、手に取った人によって受け取り方
は様々かもしれない。
これは中国をテーマにした著作だが、広く日本にも
当て嵌まることが多岐に亘るだろうと解したのは、現在の
日本における、社会、組織、集団的強者が弱者を支配する
際に自発的及び非自発的を問わず忠誠といった概念を強要
していることを挙げるならば、それは広く考えると専制主義
に対する忠誠でしかなく、強者と弱者の不平等な関係を強化
するだけでしかないと喝破している点にあり、確かに、
愛と自由に対し忠誠を尽くす日本社会とはこれまで見聞
したことがなく、組織に対し忠誠を求める姿勢は様々な所
で見聞きしているのだが、それは、二枚舌の意志決定者を
時にはやや大袈裟な表現を用いることが許されるならば
神格化し、また暗黙の内にその専制主義を肯定するもので
あり、それを成熟した大人の発想とみなす慣例は、様々な
曰くがついて回る中国社会が由来だったのかと考えると、
早晩廃れることも時間の問題だろうと考えたくもなるのだ
が、日本の組織社会の文化のしぶとさと言うか根深さは皆
さんご承知の通りであり、反抗することを肯定する文化に
慣れるまでは暫く時間が掛かるかもしれないが、政治の名
の下に体系化する行為が、中国人が官吏に登用されること
を私欲の観点で肯定している現状を導いているならば、
それは日本人が我が子を東大に進学させ公務員に採用され
ることを私欲の観点で肯定している現状と重なる面がある
のだが(いや一応表向きは私欲の観点を否定させ公僕と
しての観点を強調させていると当事者は語るかもしれない
が)、それでは残された問題も相当なものになるかなと
考えることがある。
このような纏め方では著者に叱られる気がしなくもない
が、民主化した中国が到来する時代がくるとしたら、それ
は中国が孔子を何らかの形で否定する時代の到来でもあり、
日本の国語の教科書で「子曰く..」等と教えていたら、
日本が時代の趨勢に取り残されていることに繋がるであろ
うといったことを考えるときがあったことを記しておく。
ここからが今日の課題。
英検対策は語彙とエッセイ。WSGREの正答率は、
0/9。久しぶりにやってしまった感がある数字だが、
obsequious, こびる、nonplus, 当惑する、baffle,
当惑させる、obtain, 通用する、noisome, 臭い、
obeisance, お辞儀、deferential, うやうやしい、
obtuse, 鈍感な、obstreperous, 騒がしい、obdurate,
頑固な、obfuscate, 〜を分かりにくくする、等で
失点しており、周回が必要か。
独検対策は語彙と聞き取り。報道独語を適切に
取り入れる必要があり、のんびり進める現在の方針
で問題はないだろうが、精進あるのみ。
明日もがんばろう。
では。